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はじめに この小説は即興小説トレーニング(15min)での執筆物の完結版です。 1200字程度で時間切れになったものを、500字ほど書き足し完成版としました。
4月、車を買った。マニュアルの軽自動車、ターボ付きだ。母は僕の車を見て「何で今更マニュアル車なんて……」と呟いた。
大学まで徒歩十分。築四十年。家賃三万二千円。壁が薄くて音は筒抜け。入居者は全員学生。朝日が眩しい東向き。大学の周りが畑ばっかりなのにびっくりする。ハチミツとクローバーという人気少女漫画の冒頭に出てくる、主人公のアパートの紹介とほとんど同じ…
近頃どこか行ってもスマートフォンを見てぬるぬると画面を撫でている人が居る。フォローフォロワー呟きという言葉が聞こえる。越えちまったぜキャズム。Twitterが、ネットが、SNSが日常に住み着いた。
はじめに このテキストは、時雨沢恵一氏のツイートを元に書かれたものです。以下、ツイート引用: ゾンビが生前の行動を繰り返すので、普通に会社来て休みも取らずによく働くので、「もう、従業員全員ゾンビで良くね?」と、ゾンビ以外の新卒採用を控えてし…
このテキストについて このテキストは、「桜花あどべんとかれんだぁ」企画参加によるものです。 僕=なおた=「@naota344」:Gentoo/BSDの開発者。本あどべんとかれんだぁの企画者。 桜花=おーか=「@rofi」:縞パンを履いている幼女大学生(♂)。 注意点 こ…
大学宿舎の共用棟の前は、出会いの場。共用棟の中には共同浴場があり、夜になると風呂セットを小脇に抱えた学生たちが冬の夜の寒さに身体を震わせながら、ぞくぞくと集まって来る。ここは、風呂上りの異性と出会う数少ない場所。欲情、とまでは言わないけれ…
(@lunatic_starのポストを元に10分ライティング) 「だから貴方は信じられないって言っているのよ!パソコンと私、どっちが大事なのよ!」そう彼女は叫ぶと僕に掴みかかってきた。僕も彼女のその態度に頭に血が上って、言い返す。「初めて出会った日なんてど…
(増田:つまんないのに精力的にアウトプットする人達をどうにかしてほしいをうけて) アウトプットを自慰だという人は多いけれど、勿論その通り。けれど、ただの自慰とは違う。それはインターネットっていうところで大公開してしまっている点。 人っていうの…
僕は意外と子供の頃の記憶がはっきりとしていて、たとえば保育園のころに短冊に願ったことまで覚えている。保育園の"中年組さん"の頃の話だから4歳の頃、僕が願ったのは「ベンツに乗りたい」という事だった。ベンツ。90'sなそのころ、僕の母はベンツからは程…
私が掴もうとしているのは、単なる恋じゃなくて未来。誰かに掴みとられてしまう前に、私が先に掴み取って他の子たちを蹴散らす。電気によって作られた音が、紙と磁石で作られた箱から飛び出して空間を満たす。ライブ、と言ってもそこには本当の生の声とは距…
爽快だ。僕は、爽快という言葉をここまで全身で感じたことは、今までになかった。風と一つになる。地球と一つになる。そう言って地球を守ろうとしている人たちの気持ちが、今日、今、この瞬間分かったかもしれないと僕は思った。悩みも雲の向こう側へスッコ…
トムとジェリー、仲良く喧嘩しなって良く言うけれど、だとして転校してきたばかりの戸武と楠木の喧嘩は非常に熾烈だった。トムトジェリー。戸武がトムとマンマの字が当てられているのに対して、楠木は親が昔お立ち台のボディコンの美人をやっていたことがあ…
「ああ終わったわ。うんマジ終わった。」 そよそよよと風が吹く。人生は常にスタートでありゴールであるんだ、そんな言葉をいつもうそぶいている自分とは思えないほど絶望していた。 「明日からどんな顔して学校行けばいいんだよクソッ!浅はかな行動にして…
「こんなクソったれた世界なんかに俺は振り回されねえ!俺が世界を変えてやる!」月三万七千円共益費込みのアパート、その106号室にて、叫び声が上がった。「世界は狂っている!俺が、この捻じれを修正してやる!日本を消毒だ!」 2016年日本。後に「国民総…
家族旅行。海そして高速。母親の駆るホンダエンジン独特の音が、僕をワクワクとさせる。「明日早いから、今日は早めに寝なさいよ。」お弁当の材料を買い込んだ車の中で、母親がそう笑いかける。「あ、そうだ、明日高速長いからカセットテープ作っておいてね…
「ねえ、私の事、私のことをもう捨てるっていうの!?」とある夏の日、サーバルームで悲痛な声がサーバに当たってファン音に吸い込まれて行く。「私を、私を捨てるなんて酷い!10年以上も連れ添ったというのに、私を捨てるなんて!」彼女はLANケーブルを収め…
時刻は12時を50分も過ぎ、教科書で顔を隠しながらうとうとと眠る学生も一部見受けられる教室。文系科目、例えば古典だとか現代国語だとか、そういった眠たくなりやすい授業は高確率で午後からの時間割に入っている。 そんな平和な中、俺一人だけは戦っている…
第一話へのリンク 「ロードアベレージ*1上昇、止まりません!」悲壮な叫びが部屋に響く。「10...30....40....50!人大杉です!*2」「お願い、耐えて...」私の小さな祈りの声は廃熱ファンの低い唸りの中に紛れ、誰の耳にも届かずに地に落ちる。 *1:どれだけの…
「この間、友人とおっぱいの定義について話をしたのだけれど、なかなか難しかった」車での移動中、そう友人から告げられた。
友情、それは世間一般において美しい言葉とされる。しかし、美しいものには刺がある、という訳ではないけれど、この「友情」という言葉は危険である。
日本標準時7時50分。これが、私が学校に間に合うギリギリの起床時間。そして、私は今日日本標準時7時49分に起きた。やっばい、ギリギリ!