夏の終わり

昼に起きる。学生生活最後の夏休み(延長戦)が終わってしまった。心が折れてしまったようだ。洗濯機を回そうと思うが、排水ホースが完全に根元から折れてしまっている。洗濯機、お前もか。これでは使い物にならない。

計画性に定評のある僕は、引っ越しをする友人から古い洗濯機をもらい受けていた。壊れたサンヨーの洗濯機の代わりに、ハイアールの洗濯機。僕はしばし涙する*1
だがしかし、この洗濯機、一つ問題点があって数ヶ月放置していた。ゴミ取りネットが、無いのである。


「ホームセンターに売っている」


との友人の言葉を受け、近くのホームセンターに行くが空振り。飯を食べながら考える。茨城ではジョイフル本田というどでかいホームセンターがデートスポットだと聞く。そこに行けば家を一軒建てるほどの材料すら揃うという魔法のデートスポットだ。
そうして僕はジョイフル本田に降り立つ。驚くほどの敷地の広さ、見渡す限りホームセンター。車は次々に流れ込み、警備員はそこかしこで誘導棒を振りかざす。ここなら洗濯機のネットもあるだろう、と胸を高鳴らせる。


「ああ、ハイアールのだけは取り寄せなんですよね」


僕の希望は打ち砕かれ、涙も出ない。けれど、店員さんは崩れ落ちた僕に優しく声を掛ける。
「この、吸盤の後付け洗濯ネットなら、それなりに取れるからとりあえず使ってみたら?」


家に帰り、壊れた洗濯機ともらい受けた洗濯機を交換し、ネットを取り付けてみた。ネットにはそれなりにゴミが取れており、僕は満足げにうなずいた。振り向くとそこにはフロントバンパーが潰れた虫まみれになった愛車があった。洗濯機も復活だ。僕はこれで綺麗な服をいつでも着られる。そのために走り回ってくれた相棒も綺麗にしてやらなけりゃな、と僕は車を洗車場へと走らせた。


今日は一日、洗い物ばかりであった。僕の心もいつか、洗われる日がくるのだろうか?そう思いながら、疲れた身体を横たえ眠りについた。

*1:合弁会社とか作ってたのですよ