冥王星Oを読みました

講談社と電撃がタイアップして謎の作家「越前魔太郎」なんていう作家が出てくるからもう大変っていうわけで、さっさと発売当日に買ってきていた訳なのですが、やっと時間が出来て読み終えることができました。
とりあえず、面白い。
まず、ヴァイオリンのVの方の感想から行きますと、まあ順当に企画者のM城氏が書くだろうと思っていて本を開いた訳なのですが、どうにも文章が堅い。いつもみたいに頭のネジが吹っ飛んでいって脳みそがポロポロとそのネジ穴からこぼれおちているような、そんな勢いが無い。何か真面目。
うーん、でも表現とかM城さんぽいしなあ……いやでもなあ……と悩んで後半読んでいたら、だんだんと主人公が賢くなっていって、ついには物理学だとか量子の話だとかし始めてどうにもこうにも「主人公←ただの三流ライター」には思えなくなってきまして、ああこの感じ……Z1……ッ!ってなったものですから、久々にでたZ1氏の作品ということで、敬虔なZ1信者の友人に「新刊……のようなものが出てるよ」と教えてあげました。
正直、前半部分は盛り上がらないなー堅いなーって思ってましたが、Z1節っぽくなってきた辺りは、もうはぁはぁ興奮しながら読むばかりでした。

次に、ウォーキングのW。こちらはヴァイオリンのVとは違って最初からラノベっぽい文体で「わーおんなじプロットでもこうなるんだー」って感じでした。
ただ、こちらもヴァイオリンのVと同じで前半部分がちょっと盛り上がらない印象。子供3人で作られた世界観を楽しむ作品だろうなあ、とは思ったのですけれど、子供の心をどこかに置き忘れてきてしまった私には、眩しくて直視できなくて、楽しめなかったのかもしれません。
ただ、後半は前半のまったりとした雰囲気とは打って変わって結構な盛り上がりで、読まされました。何というのでしょう、読み慣れた流水大説だとか、舞城節だとか、そういった辺りで使われる言葉遊びとか叙述トリックだとか、そういうのとはまた違った、綺麗な叙述トリックだなあと。

この企画、それぞれの作家さんの色が出てて面白いなあ、色々普段読まない作家さんの作品も読めそうだなあ、と思いましたが、どうにも参加しそうな人たちが私の本棚に収まっている方々ばかりになりそうです。やっぱり変態は編隊するのでしょう。
そんなこんなで、JDCトリビュートとかいう企画を思い出したので九十九十九を読み始めました。