ディスコ探偵水曜日(上下)読了。
買って一年棚に飾って、ようやっと読み終えた訳ですが、凄いですわこれ。何が凄いって、ジャンル超越とかそういうレベルじゃなかったです。
【気を付けて書きますが、以下ネタばれ含む可能性アリ】
認識が世界を支える、そんなテーマで書かれた作品は良くありますが、これはそんなレベルじゃない。認識によって世界が変わるのは当たり前の前提となって、じゃあその認識によってどうやって世界が移り変わってくのか?時間だとか空間だとかそういったものも全て、どうやって流れてそこに在り、どう流れて行くのか?宇宙とか並行世界とかどうなんよとか。
そんなものが時に哲学的に、時にSFチックに、時にノリによって描かれて行きます。シュババババとまるで機械で札が数えられるような勢いで概念が上書き、overrideされてゆき、そして物語がぐねぐねと暴れながら突き進んでいきます。
キャラクターもいつもの氏の作品の通り、魅力のあるキャラクターが勢ぞろい。そんなキャラクターがわーわーぎゃーぎゃーやりながら、しかし一つの目的にわが身を顧みず纏まって行ったり。
主人公であるディスコは愛の為に、そう愛の為に何度も苦境に立たされても負けずに勢いを失わずその鉄の意志を貫いていく。
熱い。熱いです。
ジャンルとかそういうクソみたいなもの意識している暇があったら、さっさと物書けや!大風呂敷広げちまった?だったら畳めばイイだろ!どうとでもなるさ面白ければ!
そんなカカカっという笑いが、そんな熱いエネルギーが伝わってくるようでした。
舞城作品が初めての人にはお勧めできないですが、是非清涼院流水だとか西尾維新だとかあの辺りのロジックのようなものをぐちゃぐちゃ積み重ねていく作品が好きな人にはお勧めです。
因みに、特盛り牛丼つゆだく肉ダブルで!ぐらいの勢いなので、気圧されないように頑張って下さい。
- 作者: 舞城王太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/07
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