なにぃっ!?・・・ふっ、予定通りだよ

試験面接発表。この人生をグイッと方向転換してくれるイベントの三段跳びは、人の人生の数だけある。悲喜交々「滑った!」「受かった!」「おいおれ繰り上げ!」その発表日まで天か地獄か分からないそのシークレットぷりは人の心を不安に陥れ、思わず押し入れの中のドラえもんを探させてしまう。「ドラえもんタイムマシンタイムマシン!」しかし、そんな中未来を見通してしまえた、発表前に結果が分かってしまった人もいる。それが僕だった。ザ・予知能力。
二日目面接試験会場にて。面接には全然不安もなくスラスラと答えられていた僕は、しかし10分間の面接時間を使いきる前に話題が無くなってしまったようで、面接官は「うーん」「他に質問はー」「むーん」と唸っているだけ。だったら早く部屋から出して、暫く採点してますってやればいいじゃない僕居づらいじゃないドンドコドーン!と思っていると、目の前の教授らしき人が口を開いた。「昨日の試験どうだった?」
試験試験試験。1日目の試験はペーパテストで数学情報英語。因みにこの中で一番不安だったのは当初英語だったのだけど、英語の試験を見る限りフィーリングと勘で何とかなるだろう!と数学をやっていた。が、当日大爆発。完答ゼロ。
「そうですね、余り芳しくはなかったです。」「確かにそうだね。君、数学0点だよ。ゼロ点。何やってたの?」
ゼロ点。得点無しってことで、加算ゼロってことで、つまりは「君大学院入れてあげないよ!っぷぷぷ〜!」って話だよね、だって一教科でもゼロ点取ったら、幾ら倍率低くても入れないとかいう話は昔からの噂として根強く残っているし……!

院試が終わった後、僕は車持ちの友人に言った。「私の行きたかった院は落ちた!何故だ!」「恨むのなら、君の頭の不幸を呪うがいい、君はいい友人に教えてもらったが君の理解力が足りないのだよ」
そうして僕たちは常磐道を駆け抜け首都高を駆け抜け、そしてお台場へたどり着いた。その時、日本には白い悪魔が確かに二つ存在していた。お台場のそれと、僕の数学の答案用紙だ。